ビアリッツで、ラグビーW杯で日本が南アに勝ったとラジオで聴く。
パリはもう薄手のコートやジャケットが必要な気温だけれど、
フランスの南部はまだ温かくて、親戚の誕生日にビアリッツに週末集まるから、
パリから来ない?と招待が来た。
夏のバカンスもとらなかったし、週末にちょっと行くのもいいかと出かけていった。
大西洋に面した高級リゾート地としても知られていて、サーフィンをする人も多い
「海バスク」の街ビアリッツ、Côte des Basques。
地中海とは違った力強さがある。
何と訪れたのは、15年ぶりぐらいになる。
あの時はフランス語しゃべれなかったなあ、なんて思い出しながら
海沿いの店でアペリティフを飲みながらしゃべっていた。
海風に吹かれて、こんなきれいな落日を眺められて、来て良かったとシミジミ。
いい気分で海を眺めていると、店のラジオが
「ラグビーW杯で、日本代表が南ア代表に勝ちました。」といっている。
日本という言葉に反応したのだけれど、聞こえてきた内容が信じられない。
「は・・・?」
「なんだって?」
「信じられない。嘘だろ?」
「日本人小さいのに。」
と口々にいう。気持ちはわかる。
私も聞き間違いじゃなくて、皆が同じことを聞いたのだとわかると、
「えー!」と叫んでしまった。
フランスでラグビーは人気が高い。
私もこの親戚に連れられて、ラグビーの 6 nationsの大会に、
フランスーアイルランド戦を見にいったこともある。
皆その後、口々に私に
「おめでとう! ブラボー」と言ってくれる。
そのうちに店の全く知らない人にも、私が日本人だとわかり、
「おめでとう!」と声をかけられ、ワインがおごられ、
周囲にイスが引っ張ってこられ、十数人の輪ができてしまい、
ラグビー、W杯、フランスチームの話で盛り上がる。
私なんかはこれからディナーなのに、今からそんなに飲んで大丈夫なのか?
と思うけれど、皆よく飲み、よく話し、よく笑い、よく食べる。
早口のローカルな話題はついていけない時は、ぼーっと海を眺め、
チラリとメンバーを眺め、フランス人は人生を楽しんでいるよなあと、感じた。