パリ生活ー マルシェの楽しみ方
私の職場近くでは、週３回マルシェ（屋外市）が開かれる。
前に住んでいたところは、アパートを出て徒歩１分、つまり建物の目の前に
マルシェのスペースがあったので、日曜日にのんびりと起きて、つ、つ、つ、と
目の前のマルシェで、それから数日の献立を考えながら、買い物をしていた。
スタンドの中には、こちらの「お惣菜屋さん」というのかな、買ってすぐに
食べられるようなスタンドもあるので、日曜日にブランチはマルシェで買った
パエリアだったり、チキンのローストだったり、レバノン料理だったり、
というのがほとんどだった。
途中、田舎に引っ越したり、日本に住んだりもしたけれど、フランス生活も
すでに１０年以上が過ぎ、最初は「（わからないから）会話するのも怖かった。」
マルシェでも行きつけのスタンドができた。
だいたいパリジェンヌ、パリ・マダムには、行きつけのマルシェのスタンドがある。
もちろんスーパーも、個人商店も利用するけれど、野菜はココじゃないと、とか、
リンゴは生産者が直接もってくるスタンドがマルシェにあるから、とか、
お気に入りの行きつけのスタンドがある。
「常連」になって顔を覚えてもらえるとシメたもので、今日はコレがいいよ！とか、
コレ試したことある？とか、コレちょっと試してみて？とおまけがあったり、
お得な情報をゲットできるようになる。
引越してから、アパートをでたらすぐマルシェという環境でなくなり、
職場近くで週３回開かれるマルシェをのぞくようになり、新しい行きつけができた。
ブログのタイトル部分の写真もその行きつけのbio(有機栽培）スタンドのひとつ。
ずらりと並ぶ野菜とフルーツのカラフルな色合いに、自然とテンションがあがる。
上の菜の花も、スタンドの表にはでてなかったけれど、顔を見た途端、
「あ、kitty、菜の花（fleurs de colza）欲しいかい？」とだしてくれたもの。
食べたことないものを端から試すから、いつもと違うものがあると教えてくれる。
パリで旅行するなら、マルシェをながめてみたら、面白いと思う。
日本と違う、見たことのない野菜、魚、肉、パン、フルーツ、に季節も見て取れる。
観光では見ることのできない、パリジャン・パリジェンヌの日常だなって思う。
言葉がわからないと、ちょっと買ってホテルで試したくても勇気がいるかも。
でも大丈夫。
まず大事なのは挨拶。フランスの店に入ったらどこでもそうだけど、
店員さんと目を合わせてニッコリ笑って「ボンジュール」ということ。
そのあとはもう身振り手振りで、指さし確認。
コレって指さして、このぐらいって手で量を伝えても、店の人はわかってくれる。
日本人が苦手とするのが「シル ヴ プレ（お願いします。）」だと思う。
こちらでは何をお願いするにしても、最初か最後にs'il vous plaît がつく。
「シル ヴ プレ。お水ください。」「これとってください。シル ヴ プレ。」
日本では丁寧にお願いするにしても
「お水をいただけますか？」で、シル ヴ プレに相当する言葉がない。
私のフランス人夫は、日本語で言う時に「オミズクダサイ。オネガイシマス。」
と、必ず「お願いします。」が後についている。
最初はなんで毎回お願いします、なんだろうと不思議に思ったけれど、
s'il vous plaît を自分なりに日本語に訳しているんだと、思い当たった。
そのぐらいフランスだと、小さい頃から必ず 「シル ヴ プレは？」と、
日本で「ありがとうは？」と言われるのと同じように教育されるので、
「シル ヴ プレ」がないのはかなりつっけんどんで、
「これをくれ！」と命令されているような印象を与えてしまう。
だからマルシェのスタンドでも、指さし確認でも通じるのだけれど、
必ずニッコリ笑って「シル ヴ プレ」と付け加えるといい。
そして最後、買い物終わったら「メルシー（merci)」で立ち去ると、
気持ちいい印象で買い物を終えられる。
「ボンジュール」「シル ヴ プレ」「メルシー」の魔法の言葉３つで
楽しく過ごせるので、試して欲しいかな。
今はだいたいどこのマルシェにもビオ（有機栽培）のスタンドがあるのだけれど、
観光客も多くてスタンドの人が慣れているのが、６区のラスパイユ通りに、
毎週日曜日9：00～15：00に開かれるビオ・マルシェ。おすすめ。
Marché biologique Raspail - Paris.fr （仏語）
それ以外の場所は
livinghappyparis.hatenablog.com
